「混雑状況に改善は見られていない」
国土交通省道路局は11月1日、JR新宿駅そばの国道20号線(甲州街道)沿いに整備・開設したバスターミナル「バスタ新宿」が開業してこの半年間における現状と課題について、見解を発表した。
それによれば、バスタ新宿周辺の交通状況について、バス停やタクシー乗降場を移転し、駐停車禁止区間を表すレッドゾーンを整備したことで、事故リスクは軽減している。
その一方、整備効果の一つであった混雑状況(平均速度)については、改善が見られていない、としている。
混雑の原因を写真で説明
平均速度は、ETC2.0データで測定したもの。それによれば、国道20号線のバスタ前を通過する車両の平均速度は、上下線平均で、平日は開業前の時速16.9kmから開業後は時速16.5kmと、0.4km遅くなっている。
また休日は、開業前の時速18.1kmから開業後は 17.5kmと、こちらも0.6km遅くなっている。
特に、都心へ向かう上り線では、休日午後に最大で約5km速度が低下している。
発表資料では、バスタ新宿前の横断歩道で停止して車両が連なっている様子や、駐停車停止のレッドゾーンで停車する乗用車やタクシーを撮影した写真が掲載されている。
一方、事故リスクは、ETC2.0のデータを使った「急ブレーキ発生件数」で判定。国道20号バスタ前の西新宿1丁目交差点から新宿4丁目交差点の間における発生件数は、平日で開業前の0.80件/台キロから0.37件/台キロと、54%減少。また休日も、0.61件/台キロから0.35件/台キロと42%減少した。
同区間における事故件数も、1.5件/月から1.2件/月(警視庁調べ)と減少した。

記者発表資料(PDFファイル)
https://www.mlit.go.jp/common/001150808.pdf概要(PDFファイル)
https://www.mlit.go.jp/common/001150809.pdf