タクシーがいっそうの福祉ニーズに応えるために
国土交通省関東運輸局神奈川運輸支局は25日、知的障がい児の下校時に、付き添い者なしでのタクシー体験乗車を実施すると発表した。
この体験乗車は、「福祉ニーズに応えるタクシー推進プロジェクト」の取り組みとして、神奈川県タクシー協会とNPOかながわ福祉移動サービスネットワークが、同県内で初めて実施するものだ。同運輸支局も、この取り組みに協力・支援を行っている。
今回の取り組みでは、知的障がい児や障がい者が1人でタクシーを利用するために必要な準備や配慮などの課題を見いだすことが、第一の目的だ。そして関係者がその課題を共有することで、誰もが安心して利用できる公共交通機関としてのタクシーの体制づくりに役立てていく。
学校から施設へ、決まったコースで送迎を実施
体験乗車の実施期間は2016年5月30日(月)から6月10日(金)までだ。実施内容は、横浜市鶴見区にある鶴見養護学校の生徒が、横浜市港北区にある放課後等デイサービス「かれんジュニア」までの約3キロを、タクシーで移動することとなっている。
タクシードライバーにとっては、知的障がいのある人と実際に接したことがあるという人は少数派だろう。それだけに、付き添い者なしで知的障がいのある児童を送迎することには不安を感じる場合もありそうだ。
今回の体験乗車で、そのような不安にどう対処すればいいのか、まずその点を課題として関係者と共有することで、解決の方法も見えてくるのではないだろうか。
ドア・ツー・ドアで目的地まで安全に、また安心して移動できる公共交通機関であるタクシーが、今後こういった福祉分野の利用を促進していくためにも、今回の取り組みは貴重な機会となるはずだ。

国土交通省関東運輸局神奈川運輸支局プレスリリース
http://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/press/date/