2015年に増収・減収した企業は
企業・業界情報の分析などを行う調査会社の帝国データバンク(TDB)は、国内のタクシー業者3,376社のデータを集計・分析し、その結果を公表した。
TDBが国内タクシー業者全体の経営実態調査を行うのは今回が初めて。
収入高は、2015 年は1兆1,053億8,200万円で、前年比で20億7,700万円の減少、率にして0.2%の減少となった。
2013年から2015年にかけての3年間の収入高のデータがある2,803社では、収入高が横ばいだった企業の数は1,454社と全体の52%。2015年に増収した企業の数は全体の19%にあたる527社、減収した企業は全体の29%にあたる822社だった。
2014年と2015年の年収入高データがある2,904社を都道府県別でみると、増収した企業の割合が最も高かったのは石川県で、東京都を抜いて全国でトップとなった。TDBはこの結果について、北陸新幹線の開通やインバウンド特需と分析している。
業界の課題は
一方、減収した企業の割合が多かった北海道、秋田県、長野県、奈良県、大分県は、2015年に減車対象の特定地域として設定されている。TDBでは、これら観光地の多い県での減車はタクシー利用者の利便性に影響を及ぼす可能性も否めない、コメントとしている。
企業合併の件数は、2015年は16件で、特に資本金1,000万円から5000万円未満の企業の合併が増加傾向と分析している。また、2016年は前年を上回るペースで合併が行われている。
TDBでは、中小規模のタクシー業者を取り巻く状況として、労働環境からくる乗務員の高齢化、配車アプリやライドシェアなどの新サービスの登場、利用者となる国民の高齢化による市場の変化を指摘している。
調査の詳しい結果は、同社ホームページで閲覧できる。

帝国データバンク[TDB]
http://www.tdb.co.jp/詳細(PDFファイル)
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