タクシー・ハイヤー事業は乗務員採用費用が増加
大和自動車交通株式会社(大和自動車)は5月16日、平成28年度3月期の決算を発表した。
それによれば、平成28年3月までの1年間の売上高は、前年比3.9%減の172億円、経常利益は同34.5%増の7億9,000万円だった。
主力のタクシー部門とハイヤー部門からなる旅客自動車運送事業は、売上高は前年比0.7%減の126億円だったが、本業のもうけを示す営業利益は、同30.5%減の9,200万円だった。
そのような中、タクシー部門は、乗務員の営業指導に注力。
また東京都内と成田・羽田空港、東京ディズニーリゾートとの間の送迎に定額制を導入。その他に妊婦向け送迎サービス「たまごタクシー」や、ハイグレードサービスの「プレミアムタクシー」、東京の名所・旧跡をめぐる「観光タクシー」などの商品開発を進めた。
これにより、1車1日当たりの稼働売上は前年に比べて増加した。
ハイヤー部門は、得意先企業の経費節減と他社との低価格競争という逆風の中で、福祉関係を含む新規顧客開拓の営業活動を継続した。
経費面では、燃料単価は低価格で推移したが、乗務員募集活を強化したことによる宣伝広告費や採用乗務員研修費等の増加が業績に影響した。
今後は事業構造の変化に対応
不動産事業は、売上高は9億1,200万円、営業利益は4億円だった。また自動車燃料や金属製品の販売事業は、売上高は37億円、営業利益は2億9,000万円となった。
大和自動車では、2016年4月に中期経営計画“Start80”をスタートした。
今後の情報技術や自動車関連技術の進展で事業構造が大きく変化することを想定し、各事業の独立採算意識の向上と責任体制の明確化を計り、安定した事業継続を図るとしている。

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